そうなの?

26歳京都在住ちいさなちいさな広告会社で働く女のブログです。

わたしは有村架純に目が二つあるところが似ています

ものまね番組でよく、顔だけそっくりさんが登場する。顔だけ誰か芸能人に似ている素人が出てきて審査員たちに判定されるアレ。
あそこに出てくる人たちはきっと、クラスや職場で、○○くん、サクライ君にまじ似てるー! とか○○さんってほんと、ハマサキっぽいですねえ!とか言われ続けて幼少期、青年期、と過ごしてきたのだろう。そして満を持してある日、お姉ちゃんが勝手に履歴書を送るとかして、ものまね番組の戸を叩いたのだろう。(戸?)
数多のライバルたちを蹴落とし、プロデューサーの靴をなめ、ようやく立った舞台。
はじめて生で見る芸能人、知らない世界、キラキラと誘われた世界ーーーー。
そこで重々しく、あるいは軽く下される、「勘違い」「似てない」などの判定。
アーヤッチマッターーーでその短いコーナーは大抵終わり、視聴者はすぐにそのコーナーのことも忘れるわけですが、わたしがものすごく気になるのはその後のその、似てない判定された人たちのアイデンティティの行方です。
きっと、あんな場所に出てくるのだから、持ちギャグはそのそっくりさん(だと思われていた)のモノマネ、なんかクラスが盛り上がらないなーなんて時は、ま?一発やっときますか?みたいな感じで鉄板ネタを繰り出していたに違いないのです。
あるいはご近所でも○○さんってあの芸能人によく似た人?みたいな認識をされているはずなので(故郷に錦を飾るつもりで出てきただろうからです)、
もう、地元に帰ったあとの彼らが心配で心配で仕方ないのです。
たぶんご両親は腫れ物にさわるよう、ご飯はそっと扉の前にトレーをおき、次の日の会社や学校は、みんな少し距離をおきながら、よ!なーンだお前元気ねえなあ!ってお調子者が肩を叩きにくるまで誰も声をかけられないに違いないのです。
彼らのアイデンティティはがらがらと崩壊の音をたて、周囲もおだててしまったもんだからフォローのしようもなく、そっと彼らの心の行く末を見守るしかないけれど、でも心は芸能人の誰かに似てる人、を基準に育ってきているからどうしようもない、っていうところまで想像して胸を痛める日々です。